多汗症を医学的に治療する方法についてお話しましょう。手のひらや足の裏など、局所性の多汗症については特に精神的な原因によるところが多いとお話しました。

それを改善するために行われるのが心身療法です。精神的な理由によって起こる多汗症をカウンセリングによって改善していくというものです。

次に薬を使って多汗症治療を行う方法について見てみましょう。内服薬としては精神安定剤などの薬が処方されます。精神安定剤ということは、要するに精神的な原因を取り除くことによって多汗症を改善しようとするわけです。

精神安定剤は緊張やストレスを緩和してくれるので、それによる発汗が抑えられるという考え方です。というのも、医学的に発汗を抑える薬剤というものはなく、あくまでも発汗の原因となる精神的な問題を改善するという方法が用いられます。

同じ考え方として、抗コリン剤といって交感神経の働きを抑制する薬も用いられます。交感神経は興奮すると多汗症の原因となるストレスや緊張の原因となります。